クラッペ病のこと


クラッベ病 (Krabbe Disease)

遺伝性で、脳の神経中枢が影響を受ける、進行性の病気。

GALCという酵素が欠けているため、脳内の代謝されるはずの成分を
分解し排出することができません。その成分が堆積していき、毒性
となり、神経細胞が破壊されていきます。

中枢神経、特に脳の白質の働きが影響され、筋肉を正常に動かす神
経などが機能に異常をきたして、運動能力が衰えていきます。

そのためちゃんとミルクを飲み込んだりすることができなくなり、
咳をして肺をきれいにすることも難しくなるので、感染に弱く、肺
炎などにかかることが多くなります。

脳幹にも影響が及び、脳幹がつかさどる、呼吸や体温調整などとい
った反射的機能も衰えてきます。

患者はアメリカ、ヨーロッパをあわせて、新生児の十万人に一人の
割合で報告例がある、どの人種、民族にも存在する病気です。

 

病気の進行:

患者の約90%は、生後6か月までに発症します。残りの10%は
6ヶ月以降−50歳代くらいまでのうちに発症。海のような新生児
発症型の場合、大体典型的なコースは三段階に分かれています。

<ステージ1>
最初の2−3ヶ月はまず大体普通に成長していきます。
その後続くステージ1は、いらいらととても機嫌が悪く、激しく泣
くようになる、運動能力の発達が滞る、体を硬くする、病気に感染
してないようなのに、高熱が出たりする、ミルクを飲むのが困難に
なるので、体重の減少が見られる、などなど。

<ステージ2>
体を反らせる、硬直型ケイレン、原因不明の高熱、眼
球運動が緩慢になる、運動・知的能力の後退がおこります。

<ステージ3>
視力・聴力を失い、周囲の認識がなくなるとか。注)実際に子供を
この病気でなくした親御さんたちの話によると、ここら辺はちょっ
と怪しい。絶対最後まで刺激(本を読んだり、お母さんに抱かれた
り)に対する反応があった、というのをよく聞く。

確かに笑ったりする筋肉のコントロールはもう衰えているけど、ち
ょっとした反応が認識できるのはやはり24時間一緒に過ごしてい
る家族なので、医学的な観測より親の体験談の方がここらへんは鋭
いと思っている。

発症からここまで、数週間から数ヶ月かかるのが平均のようです。

発症から一年くらいで、肺炎や気管支炎などを直接原因として亡く
なるケースが多い。平均寿命は13ヶ月。でもそれより早く亡くな
る赤ちゃんも、もっと長生きして今では6歳になる子もいます。

生後6ヶ月以降に発症する、幼児−成人発症型では、いつ起こるか
は予測不可能、進行も様々だし、同一家系でも発症時期が全然違う
ケースもあります。

 

遺伝子のこと:

遺伝は染色体14にある遺伝子がへんになったやつが劣性遺伝され
ます。劣性遺伝なのでアメリカ・ヨーロッパくらいの人口で150
人に一人位の確立でいるキャリアーを両方の親として持った場合の
み、1/4の確立でそれぞれの親のペアになっている遺伝子のうちの
劣性同士がくっついて、発病する子供ができます。1/4の確立で劣
性の遺伝子が全然含まれない、健康な遺伝子を持った子供ができ、
2/4の確立で発病しないけどキャリアーの子供が出ます。だから一
人の親だけがキャリアーなら50%の確立で子供がキャリアーにな
る可能性はあるけど、二つ両方から揃わないと発病しないので、本
人が発病することはない。新生児発症型か、幼児−成人発症型から
も遺伝するらしいので、家族の中で両方のタイプがあることはない、
らしい。

 

出産前の診断:

妊娠18週くらいに羊水検査でするか、もっとはやく5−10週く
らいに胎盤の組織培養により診断可能。

 

治療:

病気自体を治す治療はまだ見つかっていない。発作を押さえたり、
興奮を押さえたりする薬などでの対処治療のみ。最近では発症前に
(ほとんど出産前に)発病することがわかっているくらいの段階でな
ら効果がでる、アメリカでの骨髄移植の例も出てきています。
しかしこの移植の成功例の一番年上の子でもまだ5歳なので、長期
にわたる成果がどうでるのかはまだデータもありません。

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